インプラント

インプラント治療とは?

インプラント治療とは、失った歯を補い、もともとの歯の機能・外見まで限りなく近い状態まで回復することのできる歯科治療です。 顎の骨に直接フィクスチャー(ネジ)と呼ばれる人工歯根を埋め込み、そのネジを土台にして人工の歯を装着します。
インプラント治療では健康な歯を削る必要ないため、部分入れ歯のように食べた時に感じる違和感をほとんど覚えず、自分の歯と同じように食事をすることが可能です。

医院を選ぶうえでの「基準」

これがすべてではありませんが、これからお伝えすることを満たしていれば、インプラントを行ううえでの一定の基準は満たしていると考えています。

基準1:担当医の「経験」「技術力」

本当の技術力は患者さんには分からない部分となりますが、これまでの経歴や資格をみることでどのくらいの技術力があるのかを推測することはできます。
当院で行うインプラントは「院長」が担当します。

  • インプラント歴18年
  • 大学病院で口腔外科を担当
  • IPOI(近未来オステオインプラント学会)認定医

基準2:CT撮影を必ず行うこと~「不確定要素の排除」

多くの医院に普及しているのが二次元レントゲンです。
当院では三次元で撮影できるCTを導入しています。

当然、三次元の方がより精密に撮影でき、精度の高い分析も可能になります。
インプラントは外科処置が伴います。
神経や血管を傷つけてしまうと、出血や麻痺などにつながることもあります。

基準3:安全性を高める「ガイド」の利用

ガイドとは、CTデータとシミュレーションソフトによる分析で得られた情報をもとにインプラントを埋め込む場所・角度・大きさ・長さなどの情報を反映させて作製されたマウスピースのようなものです。

このマウスピースには穴が開いていて、その穴にインプラントを埋め込めば適切にインプラントが埋入されます。

ガイドがなくてもインプラントはできますが、当院ではより治療の精度を高めるためガイドを利用しています。

また、これを利用することで手術時間の短縮につながる他、骨の少ない難しい症例でも手術できるケースが増え、患者さんの身体的、経済的負担の軽減に役立ちます。

基準4:衛生管理体制/オペ室

インプラント治療は外科処置が伴いますので、感染対策をしっかりする必要があります。
当院にはインプラント専用のオペ室があり、厳しいヨーロッパ基準を満たした滅菌システムも導入していますので、感染対策は万全の状態でオペに臨むことができます。

各種滅菌機器

今までの洗浄機や手洗いでは難しかった複雑な構造を持った歯科器具もドイツのMiele & Cie.KG社製のジェットウォッシャー「Miele(ミーレ)」でしっかり 洗浄します。
また、ウィルスを不活化させるため、肝炎やHIVにも効果があります。

ミーレで洗浄後は、厳格な基準を求められるヨーロッパ基準のクラスB滅菌システム「Lisa(リサ)」で滅菌します。
このヨーロッパ基準EN13060をクリアしていることは、「あらゆる種類の器具を、完全に滅菌できる」ということを意味しています。

基準5:「世界のルール」に則った治療を行うこと

世界のルールというと大げさな感じがしますが、そうではありません。
世界中でインプラントは行われており、日々、新しい発見、技術が生まれています。
それを早期にキャッチアップして、治療に落とし込むことが大切です。
そのためには常に「世界」に目を向けなければなりません。
勉強会への参加や、海外文献等の理解など。
日本は歯科先進国ではありません。
つまり、日本国内だけに目を向けていては、時代遅れになってしまいます。
世界的に安全と認められている「基準(ルール)」にのっとり治療を行うこと。
これが患者さんへの最低限の礼儀ではないでしょうか?

基準6:「数十年後」を見越した治療

冒頭でもご説明しましたが、ただインプラントを埋め込むだけであれば誰でもできます。
大切なのは、見た目の美しさ、そして長期安定性を考えて埋め込むことができるか否かです。

「予知性」

「治療の予知性」とはインプラントをこの部分に、この角度で、この長さで埋入することで、長期的にどのようなことが起きるのかを事前に計算してオペを行うということです。

これは知識と経験がものを言います。

間違った形で埋め込んでしまうと、早期にインプラントが脱離したり、インプラント周囲炎という病気になる可能性が高まります。

「噛み合わせ」

インプラントは「垂直」の力には対応できるのですが、「横の揺さぶり」の力には上手に対応できない構造になっています。

そのため、噛み合わせを調整し、横の揺さぶりにも耐えられるように埋め込む必要があります。

治療後、インプラントが抜けてしまう大きな原因はこの噛み合わせがうまく調整されていないことが多くあります。

当院ではこの部分までもしっかり計算した上で、インプラントを行っています。

「清掃性」

インプラント治療をしたとしても、「インプラント周囲炎」という病気に気を付ける必要があります。
これは「歯周病」と同じ病気で、最終的にはインプラントを支えている骨が溶け、インプラントが脱離してしまいます。

この病気の原因は「日々のお口の清掃が上手にできていないこと」です。
インプラントは上部構造とアバットメント、インプラント体の3つの構造に分かれます。

それぞれ別の部品でできていますので、境目にどうしても汚れがたまりやすくなります。
日々のブラッシングでその汚れをしっかり落としきることができるのであれば問題ないのですが、ケースによっては構造上どうしても汚れを落としきれないこともあります。

そこからインプラント周囲炎が発症し、問題が起きてしまうのです。
そこで当院では汚れがたまりにくい処置と、日々の清掃がしやすい構造を計算しながらインプラントを埋め込んでいます。

院長の考える「インプラント治療」

歯を失った際の選択肢には「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」があります。
それぞれメリット/デメリットが存在します。

患者さんの状況(生活習慣、予算、年齢など)を完全に考慮せず、それぞれのツールの「機能性」だけを考えると、インプラントは他の治療法を圧倒する治療法です。

もちろんインプラントにはデメリットもありますが、入れ歯/ブリッジのデメリットを考えると、それほど大きなものではありません。

何よりも、自分の歯のようにしっかり噛めるようになる。
そして、他の歯にダメージを与えない。
これは治療法としてとても素晴らしいことです。

インプラントというだけで、敬遠される患者さんもいらっしゃいますが、まずは「インプラント」がどういうものなのかを理解していただきたいです。

その上で、どの治療法がよいかを考えるのが正しいやり方だと、私は考えます。

インプラント治療の流れ

Step 1: 診断と治療計画

まずはレントゲンを撮影して慎重な診査を行います。その後、治療計画についてご説明します。

Step 2: インプラント手術

歯が抜けた所へ人工歯根を埋め込み、3~6ヶ月の間インプラントがあごの骨に定着するまで待ちます。

Step 3: インプラント二次手術

骨とインプラントが結合して安定したところで、インプラントと歯冠の連結部分(アバットメント)を装着する二次手術を行います。

Step 4: 歯冠の装着

歯の型を取り、人工歯冠を製作したのちインプラント部分に装着し、インプラント治療を終了します。

骨量が少ない方のためのインプラント補助手術

当院では、他の歯科医院で「インプラント手術ができない」と診断された患者様でも治療をご提供できる場合があります。

通常、インプラント手術は顎へ人工歯根を埋め込むための『一次手術』と、人工歯根にアバットメント(被せ物との連結部分)を取り付けるための『二次手術』の2回にわたる手術が行います。
しかし、長いあいだ歯が抜けたまま放置してしまっていた方や、重度の歯周病にかかっていた方はインプラント埋入のための十分な骨の高さや幅がない場合があるのです。

当院ではそうした患者様に対して、インプラントの土台や支えとなる骨を強化したり、周辺環境を整えることでインプラントを定着しやすくする「補助手術」を提供しています。

他院で断られた患者様も、あきらめずに一度当院までご相談ください。

骨誘導再生法(GBR法)

骨誘導再生法では、歯周病などによってインプラントを埋め込む骨が痩せてしまっている患者様へ、骨組織を再生し、必要な骨の量を確保するための手術を行います。
「メンブレン」と呼ばれる特殊な人工膜を骨が足りない部分に適用することで、通常4~6ヶ月ほどで骨を再生させます。

ソケットリフト法(上顎洞挙上術)

ソケットリフト法とは、顎の骨にインプラントを埋入する穴を空けた際に、その空洞の奥にある歯槽骨と上顎洞粘膜を優しく持ち上げ、骨補填材を入れることで不足した骨に厚みを与える手術です。これにより、インプラントを埋入できるだけの十分な深さを確保し、傷口も小さく抑えることが可能です。

サイナスリフト法(上顎洞挙上術)

サイナスリフト法とは、上顎の骨の厚みが不足していてインプラントが固定できない場合や、多くの歯を欠損している患者様に対して行う手術です。
ソケットリフト法は下から骨を押し上げますが、サイナスリフト法では高さのない骨の横から骨補填材を入れることで骨の高さを増やします。手術後、骨が定着するまで3~6ヶ月ほど待ってからインプラント手術を開始します。

インプラントQ&A

Q: インプラントに年齢制限はありますか?

一般的に、インプラント治療は20 ~ 70歳までの方に適していると言われています。また、年齢のほかにも、妊娠中の方やヘビースモーカーの方、糖尿病などの全身疾患がある方や、顎骨の量が極端に少ない方はインプラント治療が困難な場合があります。

Q: インプラントの寿命は何年くらいですか?

インプラントは適切なメンテナンスを継続することで10年以上お使いいただくことが可能です。一方、入れ歯の平均的な寿命は4~5年、ブリッジは7~8年となっています。
インプラントを長く使っていくためにも、ご自宅での適切なケアはもちろん、歯科医院での定期的なメンテナンスも重要です。ご自分の歯と同じように、毎日お手入れを継続して行いましょう。

Q: 治療費の負担が減る「医療費控除」とは何ですか?

医療費控除とは、自分自身のために、または家族のために支払った医療費の合計が年間で10万円を超えた場合、納めた税金の一部が還付される制度です。税務署で確定申告を行うことにより、還付金を受け取ることができます。
インプラント治療が医療費控除の対象になることはもちろん、インプラントのメンテナンス費用(定期検診でかかる費用)においても適用対象となる場合があります。手術やメンテナンスに使った医療費の明細は必ず大切にとっておくようにご注意ください。